生産技術職ってどんな仕事?
どんな役割なの?
こんな疑問にお答えします。
私は大学で化学工学を学び、化学メーカーに就職しました。
今は化学メーカーの生産技術部門で働いています。
その経験をもとに解説していきますよ。
生産技術とは
生産技術職は、研究開発部門で企画された製品を「どのように生産するか決める仕事」です。
そして企業の業績に直結する、「企業の中核な機能を担う仕事」です。
- 生産プロセス(工程)設計
- 生産設備設計
- 生産設備建設の管理
- 生産のスタートアップ(試運転)
- 商用生産開始後のプロセスや設備の改善
わかりやすく説明していきますよ。
簡単に言うと、生産工場においてどのような手順で製品を生産するか決めていくことです。
重要なのは、以下のことを考えていかに効率的・合理的に生産するかということです。
- 1日にどれだけ生産するか(生産能力)
- 生産にかかるコスト
(人件費、電力などユーティリティー費など)
具体的には、必要な生産能力を満たすために各工程のスケールを決め、それにかかるコストを算出していきます。
工程を細分化して一つ一つ細かく厳密にはじき出していきます。
この積み重ねが生産プロセスの設計書になっていきます。
プロセス設計は企画した研究開発部門と一緒に進めることが多い。
生産プロセスの設計を満たすように生産設備を設計します。
生産設備は高額であり、長期間使われるので重要です。
<主な業務内容>
・プロセス設計(能力等)を満たす機械設備の選定
・安全性や自動化を考えた計装計器の選定
・操作性やメンテナンス性を考えたレイアウト
・設備運転プログラムの設計
設備設計では機械、電機、ソフト、化学工学などの知識を持った人材が活躍します。
大きな案件であればエンジニアリング会社に外注することもあります。
操作性や安全性などの観点で生産管理部門と一緒に進めることが多い。
設備設計をもとに生産設備の建設を行います。
<主な業務内容>
・スケジュール管理
・建設工事の安全管理
・生産管理部門との調整
既存の工場に新しいラインを設ける場合は生産管理部門との調整が必要になってきます。
既存製品の生産と新設備の建設を両立するためです。
建設が終われば、設備を実際に動かして試運転をしていきます。
試運転は個別機器のテストから始まります。
<試運転での確認内容>
・設計した生産能力を満たしているか
・設備に不具合がないか
・操作性や安全性に問題がないか
上記のどこかに問題があれば、どのように直すか考え修正していきます。
修正が終われば、本格生産スタートとなり生産管理部門に設備を引き渡します。
ここでやっとひと段落です。
生産設備を構え終わったら終わりではありませんよ。
既存の製品をさら効率よく安く生産できないかと考えるのも生産技術の仕事です。
理由は、他社との価格競争に勝つためです。
生産技術者はコスト体系を見直して、トータルでどのように生産するのがベストか常に考える必要があります。
まとめ
生産技術とは?というテーマで生産技術職の仕事内容を解説しました。
- 生産プロセス(工程)設計
- 生産設備設計
- 生産設備建設の管理
- 生産のスタートアップ(試運転)
- 既存の生産プロセスの見直し
生産技術職に就けば、上記のいずれかまたは複数を担当することになるはずです。
生産技術の仕事は企業の業績に直結する、「企業の中核な機能を担う仕事」です。
責任重大で大変な仕事ではありますが、やり遂げた時の達成感が大きい、やりがいのあるいい仕事だと思いますよ。
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