動画解説はこちら|YouTube

危険物取扱者甲種の暗記法|暗記表の作り方と3科目の覚え方

危険物取扱者甲種の暗記表の作り方と3科目の覚え方を解説する記事のアイキャッチ

※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。

困っている人
困っている人

「法令の数字を覚えても、どの施設の数字か分からなくなる」

「第1類から第6類の物質名、性質、消火方法が混ざってしまう」

そんな疑問を解決します。

この記事の内容

暗記事項を4つの型へ分ける方法

3科目で使い分ける暗記表のテンプレート

原則と例外を混同しない書き方

暗記表を両方向から答える練習法

問題演習から暗記表へ追加する基準

先に結論を言うと、甲種の暗記事項を一枚の巨大な表へ詰め込んではいけません。

暗記事項を「数字」「対応関係」「比較」「原則と例外」の4型へ分け、法令、物理学及び化学、性質及び消火で表の列を変えます。

完成した表は眺めるためではなく、答えを隠して思い出すために使います。左から右だけでなく、右から左にも答え、誤った文章のどこを直せば正しくなるかまで確認してください。

工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』では、物質の性状を丸暗記するのではなく、自分が混同する事項をまとめる方法と、問題を繰り返して苦手箇所を残す方法が示されています。公論出版版も、項目ごとに覚える、問題を解く、解説を確認する、覚え直す反復を勧めています。

本記事では、この考え方を基に、3科目へ共通して使える暗記表の作り方へ再構成します。

暗記事項を4つの型へ分ける

甲種で覚える内容は、次の4型に分けられます。

危険物取扱者甲種の暗記事項を数字、対応関係、比較、原則と例外の4型へ分ける図
暗記事項を4型へ分け、対象に合った暗記表へ整理します。(一次資料を参考に当サイト作成)
代表例覚え方
数字指定数量、距離、期限、容量、回数数字だけでなく、対象・条件・行為と一組にする
対応関係元素と炎色、物質と貯蔵方法、用語と定義左右を入れ替えても答えられる二方向表にする
比較施設の要否、第1〜6類、似た物質の性状共通点と相違点を同じ列で横並びにする
原則と例外消火方法、水との反応、密栓の要否原則の行と例外の行を分け、例外理由も付ける

この分類をしないままノートへ書き足すと、数字と物質名と例外が同じ強さで並びます。その結果、どの情報を手掛かりに答えるかが分からなくなります。

たとえば、法令の期限は「3年」だけでは使えません。誰が、何を、どの起点から、いつまでに行うかが必要です。

炎色反応は「ナトリウムは黄色」という一方向だけでなく、「黄色を示す元素は何か」と逆向きにも答える必要があります。

消火方法は「第3類は注水しない」のような一律暗記では危険です。類の原則と、黄りんのような代表例外を分けなければ、個別物質の問題で迷います。

最初に4型を決めると、表へ入れる列と、確認問題の作り方が決まります。

暗記表は一論点一枚にする

暗記表の単位は、科目全体ではなく一つの論点です。

「法令の数字一覧」という一枚ではなく、「免状・講習」「許可・届出」「定期点検」「保安距離」のように分けます。

物理学及び化学も、「公式一覧」へ全部を詰め込まず、「気体」「濃度」「熱」「酸化還元」「無機化学」のように分けます。

性質及び消火は、最初に第1〜6類の全体比較を作り、その後に第1類、第2類という類別表を作ります。全体表へ個別物質の細かな色、臭い、分解生成物まで入れる必要はありません。

一枚に残す情報は、次の基準で絞ります。

  • 同じ選択肢の中で入れ替えられやすいもの
  • 自分が問題演習で迷ったもの
  • 原則から外れる代表例外
  • 答えの根拠を一文で説明するために必要なもの
  • 元のテキストへ戻るページまたは論点名

暗記表は参考書の縮小版ではありません。自分が取り違える境界だけを見えるようにする道具です。

法令、物理・化学、性質・消火で暗記表の列を変える科目別テンプレート図
3科目で問われる関係が違うため、暗記表の列も科目別に変えます。(一次資料を参考に当サイト作成)

法令は「主体・対象・条件・数字・行為」で覚える

法令の数字は、数字単独ではなく、最低でも五つの列へ分けます。

書く内容
主体誰が行うか、誰が命令・承認・検査するか
対象どの施設、危険物、数量、資格者が対象か
条件原則か例外か、指定数量の倍数、施設区分など
数字距離、期間、回数、容量など
行為許可、届出、検査、講習、点検、保存など

必要に応じて、最後へ「提出先・相手」と「例外」の列を追加します。

たとえば保安距離を覚える場合、距離の数値を先に並べるのではなく、最初に「保安距離が必要な施設」と「必要でない施設」を分けます。その後、保安対象物ごとの原則距離を結び付けます。

公論出版版では、保安距離が必要な施設として、製造所、屋内貯蔵所、屋外貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、一般取扱所がまとめられています。ここで覚える単位は施設名の五つですが、問題では「どこからどこまで測るか」「特例条件があるか」も問われます。

したがって、暗記表には次のように残します。

論点対象原則追加条件混同相手
保安距離必要な5施設対象物との距離を確保防火上有効な塀・特例基準に注意保有空地

この行は具体的な距離一覧の代わりではありません。最初に要否と制度の意味を固定し、距離は対象物別の小表へ分けます。

法令15問の論点整理は、危険物取扱者甲種の法令の出題傾向と勉強法で確認してください。指定数量は、危険物取扱者甲種の指定数量と倍数計算で別表にできます。

物理学・化学は「関係・単位・成立条件」で覚える

物理学及び化学は、用語だけを覚える事項と、式を使う事項を分けます。

用語・性質の表には、次の列を使います。

用語分類対応する性質比較相手例外・注意

公式の表には、次の列を使います。

求める量使う関係記号と単位成立条件よくある誤り

式だけを書いた公式集は、問題文から式を選ぶ練習になりません。「何を求めるとき」「どの条件なら使えるか」「単位をどうそろえるか」を同じ行へ入れてください。

炎色反応のような対応関係は、元素から色を答える表と、色から元素を答える表を別々に作る必要はありません。二列の表を作り、左右を交互に隠します。

元素炎色
リチウム赤色・深赤色
ナトリウム黄色
カリウム赤紫色

これは覚え方の例です。甲種で扱う7元素の全表と注意点は、危険物取扱者甲種の無機化学で確認してください。

計算問題では、暗記表だけで答えを出そうとしないでください。式の成立条件と単位を覚えた後、問題ごとの与件から式を選びます。計算タイプの見分け方は、危険物取扱者甲種の計算問題5パターンで解説しています。

性質・消火は「共通性質・水・消火・例外」で覚える

性質及び消火は、物質名を先頭へ並べると覚えにくくなります。

まず類の共通性質を固定し、その下へ品名別の相違点と例外を追加します。

類・品名状態・外観危険性水との関係貯蔵・取扱い消火原則代表例外

全6類の比較表では、細かな品名を入れず、次を確認します。

  • 酸化性か、可燃性か、自然発火性・禁水性か、自己反応性か
  • 固体か液体か
  • 水が冷却に使えるか、水との接触が危険か
  • 消火の中心が冷却か、窒息か、乾燥砂か
  • 類の原則から外れる代表物質は何か

たとえば第3類は、一般に乾燥砂などで覆い、注水を避けるのが原則です。しかし黄りんは自然発火性のみをもつ物品で、噴霧注水による冷却が例外として扱われます。

暗記表では、黄りんを原則の行へ混ぜず、次のように別行にします。

区分水との関係消火
第3類の原則注水を避ける乾燥砂など
代表例外・黄りん水中貯蔵噴霧注水で冷却

例外を別行にすると、「第3類だから必ず禁水」という誤った広げ方を防げます。

第1〜6類の全体比較は、危険物取扱者甲種の第1〜6類一覧を使ってください。消火方法を横断比較する場合は、危険物別の消火方法一覧へ進みます。

原則と例外を同じ行へ入れない

「原則は大量注水。ただしAとBは禁水」のように一つのセルへ詰め込むと、見直したときに例外だけが埋もれます。

原則と例外は、上下の別行にしてください。

区分対象判断理由
原則類全体・制度全体基本となる扱い共通性質または制度目的
例外具体的な物質・施設・条件原則と異なる扱い水との反応、施設条件、特例など

例外には、物質名や施設名だけでなく、なぜ原則から外れるかを短く付けます。

理由があると、名前を忘れても選択肢の危険性から推測できます。反対に、理由を付けられない例外は、元のテキストへ戻って確認する対象です。

すべての例外を暗記表へ入れる必要はありません。問題演習で問われたもの、二冊のテキストで共通して強調されるもの、自分が混同するものから追加します。

暗記表は左から右、右から左、誤り訂正で回す

暗記表を作っただけでは、試験で知識を取り出せません。

暗記表を読み、左右を隠し、誤りを直し、問題で確認する5ステップの図
暗記表を両方向で思い出し、誤り訂正と問題演習まで回します。(一次資料を参考に当サイト作成)

次の5ステップで使います。

  1. 一つの小表を読む
  2. 右側を隠し、左の手掛かりから答える
  3. 左側を隠し、答えから対象を逆引きする
  4. 間違えた行だけ、誤りの原因を一語で付ける
  5. 対応問題を解き、選択肢の誤りを訂正する

たとえば「ナトリウム→黄色」だけで終えず、「黄色→ナトリウム」も答えます。

法令なら「制度名→期限」だけでなく、「この期限が適用される制度は何か」を答えます。

性質及び消火なら「物質名→消火方法」だけでなく、「注水できない理由→該当する物質」を答えます。

最後に、誤った選択肢を正しい文章へ直します。五肢択一では、数字、主体、施設、物質名、消火剤の一部だけを入れ替えた選択肢が出るためです。

本記事の5ステップは、一次資料の反復学習方針を基に、暗記表向けへ当サイトが再構成した方法です。公式団体が指定する学習手順ではありません。

語呂合わせは入口として使う

語呂合わせは、順番や組合せを思い出す入口として便利です。ただし、語呂だけで正誤問題の条件までは判断できません。

語呂を作る場合は、次の三つを一緒に残します。

  • 語呂が指す対象
  • 正しい対応表
  • 語呂では判断できない例外

炎色反応の語呂を覚えても、元素名と色の対応を逆向きに答えられなければ不十分です。

施設名の語呂を覚えても、保安距離と保有空地の違い、測定する位置、特例条件までは語呂だけで判断できません。

語呂は「思い出すきっかけ」、表は「対応関係の確認」、問題演習は「条件が変わっても答えられるかの確認」と役割を分けてください。

問題演習で迷った項目だけを追加する

暗記表は、テキストを読みながら完成させるものではありません。

最初は最低限の骨格だけを作り、問題演習で迷った事項を追加します。

追加するのは、次のいずれかに該当する行です。

  • 不正解だった
  • 正解したが二択で迷った
  • 正解理由を説明できなかった
  • 同じ数字、施設、物質を二回以上取り違えた
  • 原則は分かったが例外で迷った

反対に、資料を見ずに両方向から答えられ、選択肢の誤りも説明できる行は、直前用の表から外して構いません。

問題を○・△・×へ分け、復習対象を選ぶ方法は、危険物取扱者甲種の問題演習と復習ノートで解説しています。

暗記表と復習ノートの役割は異なります。

暗記表似た知識を比較し、正しい関係を確認する
復習ノート自分が間違えた問題と原因、再演習結果を管理する

復習ノートから頻出する弱点だけを暗記表へ移すと、表が自分専用のものになります。

直前用の一枚へ圧縮する

試験直前に見る一枚は、全範囲の要約ではありません。

最後まで残った弱点だけを、3区画へ分けます。

区画入れる内容
法令混同する主体・施設・期限・数字
物理学及び化学間違える対応関係・公式条件・単位
性質及び消火混同する物質・水との関係・消火例外

各区画は、5〜10行程度から始めます。表を見なくても答えられる行は外し、模試や再演習で迷った行だけ残します。

直前用の一枚へ新しい知識を追加し続けると、見る量が増えて重要度が分からなくなります。試験前日は追加より削除を優先してください。

暗記表作りで避けたい5つの失敗

テキストをそのまま書き写す

情報量が減らず、比較したい境界が見えません。表には判断に必要な語だけを残し、ページ番号から元のテキストへ戻れるようにします。

一枚に全範囲を入れる

文字が小さくなり、復習する論点を選べません。一論点一枚に分け、直前用だけ最後に圧縮します。

数字だけを並べる

どの制度、施設、条件の数字か分からなくなります。主体、対象、条件、行為を同じ行へ入れます。

原則と例外を同じセルへ詰め込む

例外が埋もれます。原則と例外を別行にし、例外理由を付けます。

表を眺めて終える

分かった気になりますが、答えを隠したときに出てこない場合があります。左右を交互に隠し、誤った選択肢を訂正するところまで行います。

次に読む記事

法令の暗記表を作る場合は、危険物取扱者甲種の法令の出題傾向と勉強法から、優先論点を選んでください。

物理学及び化学は、危険物取扱者甲種の物理・化学の出題傾向と勉強法で、理解する範囲と暗記する範囲を分けられます。

性質及び消火は、危険物取扱者甲種の性質・消火の出題傾向と勉強法から、第1〜6類の比較表へ進んでください。

記事群の全体像は、危険物取扱者甲種の完全攻略ロードマップで確認できます。

まとめ

危険物取扱者甲種の暗記表の作り方をまとめます。

  • 暗記事項を、数字、対応関係、比較、原則と例外の4型へ分ける
  • 暗記表は科目全体ではなく、一論点一枚で作る
  • 法令は、主体、対象、条件、数字、行為を一組にする
  • 物理学及び化学は、関係、単位、成立条件を同じ行へ入れる
  • 性質及び消火は、類の共通性質を先に置き、水との関係、消火原則、代表例外を追加する
  • 原則と例外は別行にし、例外理由を付ける
  • 表は左から右、右から左、誤り訂正の3方向で使う
  • 問題演習で迷った行だけを追加し、答えられる行は直前用の一枚から外す

最初から完璧な暗記表を作る必要はありません。まず、いま最も混同する論点を一つ選び、5〜10行の小さな表を作ってください。答えを隠して両方向から確認し、間違えた行だけを残す運用へ変えると、暗記表が得点へつながります。

参考文献