動画解説はこちら|YouTube

危険物取扱者甲種の第1〜6類一覧|性質と消火方法を比較

危険物取扱者甲種の第1類から第6類の性質と消火方法を比較する記事のアイキャッチ

※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。

困っている人
困っている人

「第1類から第6類まで、類名と性質が混ざってしまう」

「水で消せる類と、注水してはいけない危険物を整理したい」

そんな疑問を解決します。

この記事の内容

第1〜6類の名称・状態・燃焼性・危険性の一覧

6類を三つの対比で覚える方法

類ごとの消火原則と代表的な例外

試験で入れ替えられやすい表現

一覧を覚えた後の学習順序

先に結論を言うと、第1〜6類は番号順に六つを丸暗記するより、三組の対比で覚えると整理しやすくなります。

  • 第1類と第6類は酸化性で、固体か液体かが違う
  • 第2類と第4類は可燃性で、固体か液体かが違う
  • 第3類は空気・水との接触、第5類は物質内部の自己反応が危険の中心になる

ただし、消火方法を「第何類だから水」と一行で決めてはいけません。同じ類の中にも、注水が有効な物質と、水と反応するため注水を避ける物質があります。

この記事では、最初に全6類の共通点と違いを一覧にし、その後で消火の原則と代表例外を対応させます。個別物質の細かな数値や性状は、各類の記事へ分けます。

性質・消火20問の出題傾向と勉強順を先に確認したい人は、危険物取扱者甲種の性質・消火の出題傾向と勉強法を参照してください。

第1〜6類の性質と消火方法を一覧で比較

第1類から第6類までを、試験で最初に押さえる比較軸へ絞ると次のようになります。

類名状態燃焼性危険の中心消火の原則
第1類酸化性固体固体主に不燃性酸化作用や酸素放出により可燃物の燃焼を促進一般に大量注水で冷却。ただしアルカリ金属の過酸化物は禁水
第2類可燃性固体固体可燃性着火・引火しやすく、燃焼が速いものがある物質で分岐。赤りん・硫黄は注水、金属粉などは乾燥砂
第3類自然発火性物質及び禁水性物質固体または液体可燃性、一部不燃性空気で自然発火、または水で発火・可燃性ガス発生一般に乾燥砂。黄りんなど自然発火性のみの物質は水系も使用
第4類引火性液体液体可燃性可燃性蒸気が発生し、引火・流動拡散する一般に窒息・抑制。霧状の強化液、泡、粉末などを使い分ける
第5類自己反応性物質固体または液体可燃性加熱・衝撃・摩擦などで自己反応し、急激に燃焼・分解一般に大量注水で冷却。窒息だけでは効果が乏しい
第6類酸化性液体液体不燃性強い酸化作用で他の可燃物の燃焼を促進燃焼物に適した方法。一般に水・泡が有効だが例外あり

この表は、各類の「原則」を短くしたものです。危険物の性状や火災条件によって適応する消火剤は変わります。試験対策でも実務でも、原則だけで判断を終えず、物質ごとの例外を確認してください。

消防試験研究センターは、代表例として次の物質を案内しています。

  • 第1類:塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物など
  • 第2類:硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウムなど
  • 第3類:カリウム、アルキルアルミニウム、黄りんなど
  • 第4類:ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類など
  • 第5類:有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物など
  • 第6類:過塩素酸、過酸化水素、硝酸など

一覧では、類名と代表物質を別々に覚えません。「過酸化水素は液体の酸化性物質だから第6類」のように、状態と危険性を間に入れて結び付けます。

6類は三つの対比で覚える

六つの類を一列で覚えると、離れた番号の共通点を見落とします。次の三組へ並べ替えると、類番号を性質から逆引きできます。

危険物の第1類と第6類、第2類と第4類、第3類と第5類を、酸化性、可燃性、反応の起点という三つの軸で比較した図
第1〜6類は、酸化性・可燃性・反応の起点という三つの対比で整理します。(一次資料を参考に当サイト作成)
第1類・第6類酸化性第1類は固体、第6類は液体主に不燃性だが、他の物質の燃焼を促進する
第2類・第4類可燃性第2類は固体、第4類は液体危険物そのものが燃料になる
第3類・第5類反応性第3類は空気・水との接触、第5類は自己反応反応を始めるきっかけを区別する

覚えるときは、類番号から類名を答えるだけでなく、逆向きにも確認します。

  • 「酸化性の固体」と言われたら第1類
  • 「可燃性の液体」と言われたら第4類
  • 「水との接触で発火または可燃性ガス」と言われたら第3類
  • 「加熱・衝撃・摩擦で自己反応」と言われたら第5類

この双方向確認をすると、選択肢で類番号だけ入れ替えられた問題に気付きやすくなります。

第1類と第6類は酸化性|固体か液体かで区別

第1類は酸化性固体、第6類は酸化性液体です。どちらも、危険物そのものは主に不燃性ですが、強い酸化作用によって周囲の可燃物の燃焼を促進します。

ここで間違えやすいのが「酸化性」と「還元性」です。酸化性物質は相手を酸化する側で、自身は還元されやすい物質です。「第1類や第6類には還元性がある」という表現は逆になります。

二つの類は次の順で区別します。

  1. 酸化性か
  2. 固体なら第1類、液体なら第6類
  3. 可燃物・有機物との接触や混合で危険が増すことを結び付ける

消火では、第1類は一般に大量の水で冷却します。ただし、過酸化カリウムや過酸化ナトリウムなどアルカリ金属の過酸化物は水と反応するため、注水を避け、乾燥砂などを用います。

第6類は、燃焼している相手に適した消火方法を取るのが基本です。一般に水や泡が有効ですが、ハロゲン間化合物には水系消火剤が不適当です。「酸化性だから全部同じ消火剤」と決めないでください。

第2類と第4類は可燃性|固体か液体かで区別

第2類は可燃性固体、第4類は引火性液体です。どちらも危険物そのものが燃えますが、火災の広がり方が異なります。

第2類は、火炎により着火しやすいものや、比較的低温で引火しやすい固体を含みます。金属粉のように水との反応へ注意する物質もあるため、第2類全体を一つの消火方法へまとめられません。

第4類は液体そのものではなく、液面から発生した可燃性蒸気が空気と混ざって燃えます。蒸気が低所へ滞留しやすいこと、液体が流れて火災範囲を広げること、非水溶性のものは静電気を蓄積しやすいことを一組で覚えます。

消火の整理は次のとおりです。

  • 第2類:赤りんや硫黄は注水が有効。鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マグネシウムなどは乾燥砂等で窒息し、注水を避ける
  • 第4類:一般に窒息消火または抑制消火を使う。非水溶性液体へ棒状注水すると、浮いて広がるおそれがある
  • 水溶性の第4類に泡を使う場合:水溶性液体用泡消火剤を選ぶ

乙4の知識がある人ほど、第4類の消火方法を第2類へそのまま当てはめないよう注意してください。

第3類と第5類は反応のきっかけで区別

第3類と第5類は、固体または液体を含むため、状態だけでは区別できません。何が反応のきっかけになるかを見ます。

第3類は、空気に触れると自然発火する危険、または水に触れると発火・可燃性ガスを発生する危険が中心です。ただし、すべての第3類が自然発火性と禁水性の両方を持つわけではありません。黄りんは自然発火性のみ、リチウムは禁水性のみの代表例です。

第5類は、加熱、衝撃、摩擦などをきっかけに物質内部で自己反応が進み、急激に燃焼・分解する危険が中心です。多くは分子内に酸素を含みますが、すべてではありません。アジ化ナトリウムは酸素を含まない例です。

消火では、二つを逆にしないことが重要です。

  • 第3類:一般に乾燥砂で覆う。禁水性物質へ水系消火剤を使わない
  • 黄りん:自然発火性のみであり、噴霧注水など水系消火剤を使用できる
  • 第5類:自己燃焼性があるため窒息消火だけでは止まりにくく、一般に大量注水で冷却する
  • アジ化ナトリウム:第5類の例外として注水を避け、乾燥砂などを用いる

「第3類は乾燥砂、第5類は大量の水」を原則にし、黄りんとアジ化ナトリウムを反対向きの例外として追加すると整理しやすくなります。

消火方法は「類の原則+物質の例外」で覚える

消火問題では、消火剤の名前だけを暗記せず、次の四段階で判断します。

危険物の第1類から第6類について、消火の原則と代表的な例外を横並びで比較した図
消火方法は、類ごとの原則へ代表例外を追加して覚えます。実際の火災ではSDS等を優先してください。(一次資料を参考に当サイト作成)
  1. 危険物は何類か
  2. 燃焼・分解・反応の原因は何か
  3. 水を加えると、発熱、発火、可燃性ガス、液体の拡散など別の危険が生じないか
  4. 冷却、窒息、抑制のどの効果を使うか
まず覚える原則一緒に覚える代表例外
第1類大量注水で冷却アルカリ金属の過酸化物は禁水・乾燥砂
第2類物質ごとに注水か乾燥砂かを分ける金属粉などは注水を避ける
第3類乾燥砂で覆う黄りんは水系消火剤を使用できる
第4類窒息・抑制を中心に消火剤を選ぶ水溶性液体には水溶性液体用泡
第5類大量注水で冷却アジ化ナトリウムは禁水・乾燥砂
第6類燃焼物に対応した方法。一般に水・泡ハロゲン間化合物は水系が不適当

この比較表で「一般に」「代表例外」と書いているのは、同じ類でも性状と適応消火剤が一致しないためです。選択肢に「すべて」「いずれも」とあれば、例外がないかを確認してください。

なお、ここで説明しているのは資格試験の学習整理です。実際の漏えい・火災では、物質ごとのSDS、事業所の緊急時手順、消防機関の指示を優先してください。

試験で間違えやすい五つのポイント

第1類と第6類を「可燃性」とする

第1類と第6類は酸化性で、主に不燃性です。自らが燃料になるのではなく、他の可燃物の燃焼を促進します。

第3類はすべて自然発火性かつ禁水性とする

両方を持つ物質が多い一方、片方だけの物質もあります。黄りんとリチウムを代表例として区別します。

第5類は窒息させれば消えるとする

第5類は自己反応性物質です。多くは酸素を含み、外部の酸素を遮断するだけでは効果が乏しいため、冷却が中心になります。

第2類または第3類は一律に禁水とする

第2類には赤りん・硫黄のように注水できる物質があります。第3類にも黄りんのように水系消火剤を使用できる物質があります。

第4類へ水をかければ冷却できるとする

非水溶性で水より軽い危険物へ棒状注水すると、危険物が水に浮いて広がるおそれがあります。水溶性液体では泡消火剤の種類も区別します。

一覧を覚えた後の学習順序

全6類の一覧を覚えたら、次は一つの類を完璧にしてから進むのではなく、全類を同じ深さで周回します。

1周目:6類の名称、状態、燃焼性、危険性を言えるようにする

2周目:各類の共通性質と消火原則を追加する

3周目:代表物質と、原則から外れる物質を追加する

4周目:物質名、性状、貯蔵・取扱い、消火方法を混ぜた問題を解く

指定数量と類別の法令上の関係は、危険物取扱者甲種の指定数量と倍数計算で確認できます。

記事群全体の学習順序は、危険物取扱者甲種の完全攻略ロードマップにまとめています。

30秒セルフテスト

一覧を閉じて、次の六問へ答えてください。

  1. 酸化性の固体は第何類か
  2. 可燃性の液体は第何類か
  3. 空気または水との接触が危険の中心になるのは第何類か
  4. 自己反応性物質は第何類か
  5. 一般に乾燥砂を使い、黄りんが代表例外になるのは第何類か
  6. 一般に大量注水で冷却し、アジ化ナトリウムが代表例外になるのは第何類か

答えは順に、第1類、第4類、第3類、第5類、第3類、第5類です。

六問を類番号から性質へも逆向きに答えられれば、各類の品名別学習へ進めます。迷った組だけ、三つの対比へ戻ってください。

次に読む記事

性質・消火20問の全体的な勉強法を確認する人は、危険物取扱者甲種の性質・消火の出題傾向と勉強法へ戻ってください。

次の各論では、第1類の共通性質、代表物質、貯蔵・取扱い、消火方法を詳しく扱います。

まとめ

危険物取扱者甲種の第1類から第6類までを、性質と消火方法で比較しました。

  • 第1類と第6類は酸化性で、固体か液体かが違う
  • 第2類と第4類は可燃性で、固体か液体かが違う
  • 第3類は空気・水との接触、第5類は自己反応が危険の中心
  • 消火方法は「類の原則+物質の例外」で覚える
  • 第1類のアルカリ金属の過酸化物、第3類の黄りん、第5類のアジ化ナトリウムなど、原則から外れる物質を対で覚える
  • 同じ類でも適応消火剤は異なるため、「すべて」「いずれも」という選択肢は例外を確認する

まず、1・6、2・4、3・5の三組を何も見ずに書き、状態と危険の中心を一言ずつ添えてください。その上で消火原則と代表例外を追加すると、全6類の地図ができます。

参考文献