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送風機の回転速度制御の注意点|ねじり共振・羽根車疲労・インバータ振動を防ぐ

送風機の回転速度制御に伴うねじり共振、羽根車疲労、構造共振、商用切換えを解説するBL-09のアイキャッチ

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送風機の回転速度制御は、ダンパで絞るより消費電力を下げやすく、風量調節にも有効です。しかし、定速運転では問題にならなかった速度域を使うと、軸やカップリングのねじり共振、羽根車の疲労、ベース・ケーシングの振動が現れることがあります。

また、インバータ(VFD)が故障したときに商用電源へ切り換える設備では、電気的に切換えが成功しても、惰走中の風量低下や再加速時の風量急増がプロセスを乱す可能性があります。

この記事では、現場オペレーターと化学メーカーのエンジニア向けに、送風機を可変速化するときの4つのリスクと、設計・試運転・運転中に確認すべき項目を整理します。ダンパ制御と回転速度制御の省エネ比較は送風機の風量制御と省エネで説明しています。

この記事の結論

  • インバータが直接軸を折るのではありません。トルクの励振周波数と軸系のねじり固有振動数が一致し、共振応答が大きくなると軸・カップリングの損傷リスクが高まります。
  • 周波数ジャンプは共振速度での連続運転を避ける機能です。始動・停止時の通過は残るため、加減速時間と過渡トルクも確認します。
  • 速度変更を繰り返すと羽根車の遠心応力も繰り返し変化します。既設定速機の可変速化では、速度サイクルと溶接部・き裂履歴を確認します。
  • 特定速度だけ振動が増えるときは、生波形だけでなく周波数スペクトルを取り、回転成分、インバータ励振成分、構造固有振動数を照合します。
  • VFD故障から商用電源への切換えは、残留電圧、過渡トルク、回転速度、風量、ダンパ、プロセスインターロックを一体で検証します。

1. 可変速化で確認する4つのリスク

回転速度を変えることによる注意点は、すべてを「インバータ振動」とまとめない方が分かりやすくなります。

送風機の回転速度制御で確認する4つのリスクと、平行2軸のVベルト配置、商用切換え時の風量変化を示す図
リスク主な起点主な影響先現場で見える兆候
軸系のねじり共振電動機トルクに含まれる脈動成分と軸系固有振動数の一致軸、カップリング、歯車特定速度の通過時にトルク・音・振動が増える、継手損傷
羽根車の低サイクル疲労高速・低速の反復による遠心応力範囲羽根、側板、主板、溶接止端き裂、塗膜割れ、異音、振動増加
構造共振インバータ高調波を含む電磁加振と構造固有振動数の一致電動機、共通ベース、ケーシング、ダクト特定周波数・速度帯だけ振動や異常音が増える
商用切換え時の過渡変化VFD故障後の惰走と商用電源による再加速風量、炉・ボイラ、反応・排気系風量低下、風量急増、圧力変動、プロセストリップ

この4つは原因も対策も異なります。振動計の全体値だけを見て「問題なし」とせず、軸系、羽根車、構造物、プロセスの順に分けて確認します。

2. 「インバータ化で軸が折れる」の正しい理解

インバータは、電動機へ与える電圧と周波数を変えて回転速度を制御します。その出力や電動機トルクには、方式・運転条件に応じた脈動成分が含まれます。

電動機、カップリング、送風機羽根車をつなぐ軸系には、ねじれ方向の固有振動数があります。脈動トルクの励振周波数がこの固有振動数に近づくと、ねじり振動が増幅されます。応力振幅が許容値を超えたり、その状態を繰り返したりすると、軸、キー、カップリング、歯車などを損傷する可能性があります。

したがって、「インバータだから危険」でも「低速だから安全」でもありません。重要なのは、想定する全速度範囲と始動・停止経路について、次の3点を照合することです。

  1. インバータ・電動機が発生し得るトルク脈動の周波数成分
  2. 電動機から羽根車までを含む軸系のねじり固有振動数
  3. 共振点での応答、通過回数、通過時間、軸・継手の許容応力

ベースやケーシングが横に揺れる構造共振と、軸系が回転方向へねじれるねじり共振は別物です。通常のケーシング振動測定だけでは、ねじり振動を十分に評価できない場合があります。

3. 共振速度は励振周波数と固有振動数の交点

回転速度を上げると、回転に関係する励振周波数も変わります。一方、軸系のねじり固有振動数は、慣性モーメント、軸のねじり剛性、カップリングなどで決まり、通常はグラフ上でほぼ水平の線として扱えます。

両者の交点が共振速度の候補です。励振成分は一つとは限らないため、運転範囲内に複数の交点が現れることがあります。設計時には、インバータ・電動機・送風機・カップリングを別々に見るのではなく、一つの駆動軸系として検討します。

回転速度に応じて変わるトルク脈動の励振周波数と軸系のねじり固有振動数の交点が共振速度になることを示す図

ねじり振動解析が必要かどうかは、出力、軸系構成、カップリング、運転速度範囲、始動停止頻度、既設機の履歴を示して、送風機・電動機・インバータメーカーと決めます。

4. 常用回避と共振点の通過管理を分ける

共振速度が見つかったときの対策は、一つではありません。『ファン・ブロワ 改訂版』では、脈動トルクを電気的に小さくする、共振点を運転範囲から外す、共振点通過時の加速率を管理する、軸・カップリングを強化する、弾性カップリングでトルクを吸収するといった考え方が示されています。

実務では、少なくとも次の二つを分けます。

常用速度を避ける

インバータの周波数ジャンプ・スキップ機能で、共振が大きい速度帯へ指令が滞留しないようにします。ただし、プロセスが要求する風量を満たせるか、制御が不安定にならないかも確認します。

始動・停止時に安全に通過する

スキップ設定をしても、停止状態から高速側へ移る途中では共振速度を通過します。通過を速くすれば滞在時間は短くなりますが、急加速による過渡トルクが大きくなる場合があります。逆に緩慢すぎれば共振域へ長く滞在します。

加減速時間は「短いほどよい」と一律に決めず、ねじり応答、インバータ電流・トルク制限、軸・継手強度、プロセス応答を含めて決定し、試運転で通過時の挙動を確認します。

5. 速度変更の反復は羽根車の応力サイクルになる

回転中の羽根車には遠心力が作用します。遠心力による応力は回転速度の二乗に強く依存するため、高速から低速、低速から高速へ変えるたびに羽根車の応力も変化します。

定速運転を前提に長期間使ってきた送風機を可変速化すると、従来は少なかった大きな応力範囲を何度も与える運転になることがあります。この反復で疲労損傷が蓄積する現象を、ここでは低サイクル疲労として扱います。

遠心送風機の高速と低速の反復で遠心応力が変化し、羽根板外周側へ疲労損傷が蓄積することを示す図

『ファン・ブロワ 改訂版』には、既設定速ファンを可変速化した後、速度変更を多数繰り返し、羽根車外周側からき裂が生じた事例が示されています。これは個別事例であり、同じ速度範囲や年数で必ず破損するという意味ではありません。読み取るべき点は、可変速化によって新しい応力サイクルが加わることです。

6. 既設定速機を可変速化する前に確認する

既設送風機では、図面どおりの新品状態とは限りません。腐食、摩耗、付着物の除去、過去の補修溶接、局部的な板厚減少が疲労強度へ影響します。

確認項目確認する理由
羽根車の許容最高・最低回転速度強度、性能、冷却、軸受・シール条件を外さないため
1日・1バッチ当たりの速度変更回数累積する応力サイクルを把握するため
高速側と低速側の速度差遠心応力範囲の大きさを見積もるため
羽根、側板、主板、ハブ、溶接止端の状態き裂が始まりやすい弱点を確認するため
腐食・摩耗・補修履歴板厚と疲労強度が設計時から変わっている可能性があるため
起動停止と速度変更を含む運転履歴定常時間だけでは繰返し回数を評価できないため

外観だけで健全性を断定せず、必要に応じて浸透探傷などの非破壊検査、板厚測定、メーカー強度評価を行います。検査方法と判定基準は羽根車材質・構造・対象法規・メーカー基準に合わせます。

7. 特定速度だけ振動するなら周波数スペクトルを見る

インバータ運転では、出力周波数に関連する高調波成分が電動機の電磁加振力となり、共通ベースや送風機ケーシングを振動させる場合があります。加振周波数とベース・ケーシング・ダクトなどの構造固有振動数が一致すると、特定の速度帯だけ振動が大きくなります。

この切り分けには、時間波形より周波数スペクトルが適しています。時間波形は衝撃、うなり、時間変化を見るのに有効ですが、どの周波数成分が増えたかはスペクトルの方が読み取りやすいからです。

インバータ出力が電動機を加振して共通ベースから送風機ケーシングへ伝わる経路と、平行2軸のVベルト配置を示す図

次を同じ時刻で記録します。

  • 送風機と電動機の実回転速度
  • インバータの出力周波数、電流、トルク指標
  • 軸受、電動機、共通ベース、ケーシング、接続ダクトの振動
  • 振動の全体値と周波数スペクトル
  • ダンパ開度、風量、圧力などの運転状態

速度をゆっくり変え、どの速度で、どの部位の、どの周波数成分が増えるかをマップにすると、回転一次成分、不釣合い、高調波励振、構造共振を切り分けやすくなります。危険な振動域を探索する試験は、メーカーと試験中止基準を決めた上で行ってください。

8. 対策は原因を特定してから選ぶ

対策候補主に狙う現象注意点
周波数ジャンプ・常用禁止帯特定速度での構造共振、ねじり共振への滞留始動・停止時の通過は別に評価する
加減速時間の調整共振域の滞在時間、過渡トルク短すぎてもトルクが増える場合がある
インバータ・電動機側の励振低減トルク脈動、電磁加振方式・容量・制御設定をメーカーと確認する
カップリング変更ねじり固有振動数・応答、トルク吸収軸系全体を再解析する
ベース・ケーシング・支持の剛性変更構造固有振動数と応答一部補強で別モードを悪化させないよう確認する
防振要素の追加電動機から構造物への振動伝達アライメント、配管荷重、低周波共振、耐久性を確認する
ベルト仕様・張力・プーリの見直しトルク変動によるベルトの踊り・外れ速度範囲全体の張力と危険速度を確認する

「振動したから防振ゴム」「特定速度だから周波数ジャンプ」と即断しないことが重要です。励振源、伝達経路、共振する構造物を特定し、対策後に固有振動数と運転範囲がどう変わったかを再確認します。

9. VFD故障から商用電源へ切り換えると風量が揺れる

重要送風機では、VFD故障時に商用電源へ切り換えて運転を継続する構成があります。この切換えは、接触器を切り換えるだけの問題ではありません。

VFDが停止すると、電動機と羽根車は惰走して回転速度が下がります。残留電圧や位相を考慮して商用電源投入まで待つ構成では、その待ち時間に風量が低下します。炉・ボイラであれば燃焼が不安定になり、排気・換気系であれば系内圧力が変動する可能性があります。

その後、商用電源を投入すると、電動機は商用周波数に対応する速度へ加速します。吸込ダンパがVFD運転時の開度のままなら、風量が急に増え、プロセス側へ別の擾乱を与えることがあります。

VFD故障後の惰走で風量が低下し、商用電源投入後に一時増加して、吸込ダンパ協調で目標風量へ戻る流れを示す図

『ファン・ブロワ 改訂版』では、商用側のリアクトルで加速を緩和し、吸込ダンパを協調させて故障前の風量へ戻す考え方が示されています。ただし、これは原理を示す事例です。実際の切換方式、残留電圧対策、投入条件、ダンパ動作順序は、電動機・VFD・開閉器・送風機・プロセスの仕様に合わせて設計します。

10. 商用切換えは3つの過渡量を同時に確認する

切換え試験では、成功・失敗の二値だけでなく、次の時間変化を同じ時間軸で記録します。

  1. 電気・機械:残留電圧、電流、トルク、回転速度、振動
  2. 空気系:風量、吸込・吐出し圧力、ダンパ開度
  3. プロセス:炉内圧、燃焼状態、槽内圧、排気濃度、関連インターロック

特に確認するのは、惰走中の最小風量、商用投入後の最大風量・最大圧力、過渡電流・トルク、定常状態へ戻るまでの時間です。試験中止基準と安全側のトリップを先に決め、必要なら負荷を限定した段階試験から始めます。

商用切換えを設けない設備でも、VFD故障時に送風機を停止させるのか、予備機を起動するのか、ダンパやプロセスをどの安全状態へ移すのかを決めておく必要があります。

11. 可変速化するときのモーターと防爆の確認

インバータ化は、送風機だけでなくモーター(電動機)の使い方も変えます。見落としやすいのは、低速時の冷却、軸受に流れる電流、防爆エリアでの検定条件の3つです。送風機本体が火花や静電気の着火源にならないための材料側の対策は、送風機の材質・軸封・摩耗・腐食で扱っています。

低速で連続運転するとモーターが冷えにくい

一般的な全閉外扇形のモーターは、自分の軸に付いた冷却ファンで冷やされます。回転速度が下がれば冷却風量も減ります。さらにインバータの出力には損失を増やす高調波成分が含まれるため、商用電源で回すより温度上昇が高くなります。

そのためモーターメーカーは、温度上昇を規格値以内に抑えて連続運転できるトルク(連続運転トルク)を周波数ごとに示しています。一般用のモーターは低い周波数ほど連続運転トルクが下がり、インバータ用モーターは、低い周波数でも連続運転トルクが下がりにくいように作られています。

遠心送風機は、回転速度を下げると必要なトルクも大きく下がるのが普通です。一方、吐出し圧力をほぼ一定に保つ運転や容積形のブロワーでは、速度を下げても必要トルクが下がりにくくなります。最低速度で連続運転するなら、その速度での必要トルクがモーターの連続運転トルクに収まるかをメーカーに確認します。 収まらなければ、インバータ用モーター、容量の見直し、別電源のファンで冷やす他力通風形を検討します。他力通風形では、冷却ファンの電源と、ファンが止まったときの扱いも決めておきます。

インバータ駆動では軸受に電流が流れることがある

PWMインバータで回すと、モーター巻線の中性点の電位が0にならず、高い周波数で上下します(コモンモード電圧)。この電圧がモーター内部の静電容量を通じて軸受の内輪と外輪の間に電位差を生み、潤滑油膜を破って放電すると、転がり面が溶けて傷みます。これが軸受の電食です。

傷は点状のくぼみや、転がり面の洗濯板のような縞(リッジマーク)となり、異音や振動の増加として現れます。発生は配線、接地、グリース、運転条件に左右され、明確な判定基準はありません。モーターと送風機が別々の基礎に載っている場合は、電流がカップリングを通って送風機側の軸受へ流れる経路もあります。

対策の候補には、キャリア周波数の低減、絶縁軸受やセラミック転動体の軸受、軸の接地ブラシ、コモンモードフィルタ、接地と等電位ボンディングの見直し、絶縁カップリングなどがあります。有効な対策は設備ごとに違うため、軸受の損傷では電食も疑い、モーター・インバータメーカーと対策を選びます。 400V級でケーブルが長いと、モーター端子に高いサージ電圧がかかって巻線の絶縁を傷めることがあるため、絶縁仕様とフィルタの要否も確認します。

防爆エリアではインバータ駆動を含めて検定されているかを見る

危険場所に置くモーターは防爆検定に合格したものを使い、銘板に書かれた条件どおりに使います。インバータ駆動では高調波損失と低速時の冷却低下で温度が上がるため、商用電源で確かめた防爆性能の前提がそのまま成り立つとは限りません。

工場電気設備防爆指針(国際整合技術指針)では、インバータにつなぐ回転機は、指定した速度・トルクの範囲で、インバータ(出力フィルタを含む)と組み合わせて熱的性能を立証するとしています。銘板には「インバータ運転用」、回転速度と周波数の範囲、トルクの種類、該当する場合はインバータの型式などが表示されます。製品によっては、安全増防爆形はインバータ駆動できず、耐圧防爆形もインバータ用モーターと検定を受けた指定インバータの組合せでしか使えません。商用電源用として検定された防爆モーターを、そのままインバータにつないではいけません。

温度等級(T1〜T6)は、機器の最高表面温度による区分です。この温度が守られるのは、検定で確かめた速度・トルクの範囲の中だけです。表示された範囲より低い速度での連続運転や過負荷は、温度等級の前提を外れます。 温度センサと保護装置が使用条件になっている機器では、その保護回路を外さないことも条件です。

軸電流も、防爆エリアでは軸受寿命だけの問題ではありません。同指針は、軸電流・軸受電流が主要な着火源になり得ると注意しています。接地ブラシを付けるなら、ブラシ自体もその場所に適した防爆構造が必要です。

確認項目確認すること可変速化で見直す点
危険場所の区分ゾーン0・1・2のどれか。決めるのは使用者追加する機器やインバータ盤を置く場所の区分
ガスグループ対象ガスがIIA・IIB・IICのどれに当たるか接地ブラシ、センサなど追加機器の表示
温度等級最高表面温度が対象ガスの発火温度より低い等級か低速・過負荷での温度上昇
機器保護レベル(EPL)危険場所の区分に対して必要なレベルを満たすか追加機器にも同じレベルが要る
防爆構造耐圧(d)、安全増(e)、内圧(p)などのどれかインバータ駆動が認められた構造・製品か
検定検定合格証と銘板の条件インバータ運転用の表示、速度範囲、インバータ型式

危険場所の区分だけで防爆構造を一つに決めることはできません。 同じ区分でも使える防爆構造は複数あり、同じ耐圧防爆でもガスグループ、温度等級、インバータ運転の可否は機器ごとに違います。国内では従来の防爆構造規格による検定と国際整合技術指針による検定が併存し、表示の書き方も異なります(従来の表示例 d2G4、国際整合の表示例 Ex d IIC T4)。可変速化を計画する段階で、電気担当とモーター・インバータメーカーを交え、最新の指針と検定合格証で上の項目を一つずつ照合してください。

12. 設計・改造・試運転のチェックリスト

設計・改造前

  • 送風機、電動機、カップリング、ベルト、インバータの全速度範囲と、軸系のねじり振動解析の要否を関係メーカーと確認したか
  • 構造固有振動数と想定励振周波数の照合を計画したか
  • 羽根車の最高・最低速度、速度サイクル、既往き裂・補修・腐食を確認したか
  • 電動機の低速冷却(最低速度での必要トルクが連続運転トルクに収まるか)、軸受、絶縁、ケーブル、接地をメーカー仕様で確認し、危険場所ではインバータ駆動を含む検定条件と銘板の速度範囲を照合したか
  • VFD故障時の安全状態と、商用切換え・予備機起動の要否を決めたか

試運転

  • 低速から高速まで段階的に運転し、速度ごとの振動・電流・音・温度と周波数スペクトル(測定位置も)を記録したか
  • 共振速度へ近づいたときの中止基準を決めたか
  • 始動・停止時の共振点通過と過渡トルクを確認したか
  • スキップ設定後も必要風量と制御安定性を確保できるか
  • 商用切換えまたは予備機切換え時の風量・圧力・プロセス応答を確認したか

運転開始後

  • 回転速度、振動、電流、温度を同じ運転点で傾向管理し、振動増加時に回転速度とスペクトルを保存できるか
  • 速度変更回数と起動停止回数を記録しているか
  • 羽根車、溶接部、ベルト、カップリング、基礎ボルトに変化がないか
  • 電動機と送風機の軸受の異音・振動増加を、電食の可能性も含めて点検しているか
  • スキップ周波数や加減速時間が無断で変更されないよう管理しているか

13. まとめ

回転速度制御は、定速運転では表面化しなかった軸系のねじり共振、羽根車の応力サイクル、特定速度の構造振動を招くことがあります。共振は常用回避と通過管理を分け、特定速度の振動は周波数スペクトルで励振成分と固有振動数を照合します。 VFD故障からの商用切換え、モーターの低速冷却・電食・防爆の検定条件も、試運転前に確認してください。

送風機記事群の全体像は送風機・ブロワー完全ガイドで確認できます。

参考文献

化学プラントニュース―週報と事故速報をわかりやすく紹介するnoteマガジン PLANT NEWS ON NOTE 化学プラントニュース 化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。 noteで最新ニュースを読む