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「混合危険の組合せを丸暗記しても、すぐ混同する」
「第1類と第4類を混ぜると、なぜ危険なの?」
「水との反応や安定剤も、混合危険と同じ扱いでいいの?」
そんな疑問を解決します。
混合危険の意味と3系統
第1・6類と第2・4類の組合せ
強酸と酸化性塩類、爆発性物質を生じる組合せ
水との反応と危険なしの例外
試験で迷わない4段階の判定手順
先に結論を言うと、混合危険は「2種類以上の物質を混合・接触させることで、発火や爆発などの危険が生じること」です。
試験では、次の3系統で整理します。
- 酸化性物質+還元性物質
- 強酸+酸化性塩類
- 爆発性物質を生成する組合せ
最初の目印は「第1・6類の酸化剤」と「第2・4類の可燃物・還元性物質」の組合せです。ただし、類番号だけで全てを断定せず、物質名、反応、水や空気との関係、安定剤などの例外まで確認します。
第1〜6類の位置関係を先に復習したい人は、危険物取扱者甲種の第1〜6類一覧|性質と消火方法を比較を確認してください。
混合危険は「接触させる前に組合せで判定する」
混合危険では、単独の物質の性質だけではなく、相手との組合せが問題になります。
危険が生じる流れは、次のように考えると分かりやすくなります。
- 性質の異なる2種類以上の物質が混合または接触する
- 酸化還元反応、分解、不安定物質の生成などが始まる
- 発熱、発火、急激なガス発生、爆発へ進むことがある
大切なのは、「単独では燃えない物質だから安全」と判断しないことです。第1類や第6類は原則として自ら燃焼しませんが、酸化剤として可燃物の燃焼を激しくします。
また、資格試験の整理は、実務の混触危険性を網羅するものではありません。実際の火災・漏えい・貯蔵・取扱いでは、物質ごとのSDS、事業所の緊急時手順、消防機関の指示を優先してください。確認のために実物を混ぜる行為は絶対に行わないでください。
混合危険を3系統で整理する
一次資料では、混合危険を次の3系統に整理しています。

| 系統 | 組合せ | 危険の中心 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 酸化還元 | 酸化性物質+還元性物質 | 激しい酸化還元反応による発熱・発火・爆発 | 塩素酸カリウム+赤りん |
| 強酸との接触 | 強酸+酸化性塩類 | 不安定な遊離物質などを生じ、発火・爆発 | 硫酸+塩素酸カリウム |
| 危険物質の生成 | 特定物質同士の接触 | 衝撃や摩擦に敏感な爆発性物質を生じる | アンモニア+ハロゲン |
この3系統は、組合せを見た瞬間に反応式を完成させるためではなく、「どの危険を疑うか」を決めるための地図です。
最初に相手の役割を見て、酸化剤と還元剤か、強酸と酸化性塩類か、特定の爆発性物質をつくるペアかを判定してください。
第1・6類+第2・4類を最初に疑う
試験では、酸化性物質と還元性物質の組合せが中心です。
| 役割 | 主な類 | 試験での見方 |
|---|---|---|
| 酸化性物質 | 第1類の酸化性固体、第6類の酸化性液体 | 相手の燃焼や酸化を促進する側 |
| 可燃物・還元性物質 | 第2類の可燃性固体、第4類の引火性液体 | 酸化されて燃焼する側 |
したがって、「第1類または第6類」と「第2類または第4類」が向き合っていたら、最初に混合危険を疑います。
代表例は、塩素酸カリウムなどの酸化性塩類と、赤りん、硫黄、エタノールなどの可燃物・還元性物質です。接触や混合により反応が急激に進み、発火や爆発につながるおそれがあります。
ただし、この対応は試験で候補を絞るための原則です。「第1・6類と第2・4類の全組合せが、必ず同じ強さで爆発する」と一般化してはいけません。最後は物質名と個別の反応を確認します。
第1類の酸化性固体は危険物取扱者甲種の第1類攻略|酸化性固体の性質・貯蔵・消火、第4類の可燃性液体は危険物取扱者甲種の第4類攻略|引火性液体の分類・性質・消火で詳しく整理しています。
強酸+酸化性塩類は不安定な物質を生じる
強酸と酸化性塩類の組合せでは、不安定で分解しやすい物質が生じ、発火や爆発につながることがあります。
| 強酸の例 | 酸化性塩類の例 | 生じる危険な物質の例 |
|---|---|---|
| 塩酸・硝酸・硫酸 | 塩素酸塩類・過塩素酸塩類・過マンガン酸塩類 | 不安定な遊離物質や強い酸化性物質 |
| 硫酸 | 塩素酸カリウム | 二酸化塩素 |
| 硫酸 | 過マンガン酸カリウム | 七酸化二マンガン |
ここでは、化学式を丸暗記するより「強酸が酸化性塩類に触れると、より不安定で危険な物質を生じることがある」と捉える方が、選択肢を判定しやすくなります。
有機物と硝酸・硫酸などの接触も、強い酸化作用や発熱により危険です。強酸という名前だけで判断せず、相手が酸化性塩類か、有機物・可燃物かまで見てください。
爆発性物質を生成する組合せを覚える
3系統目は、接触によって衝撃や摩擦に敏感な爆発性物質を生じる組合せです。
| 物質A | 物質B | 判定のポイント |
|---|---|---|
| アンモニア | 塩素酸カリウム | 爆発性物質を生じる組合せ |
| アンモニア | 水銀 | 爆発性物質を生じる組合せ |
| アンモニア | ハロゲン | 爆発性物質を生じる組合せ |
| アジ化ナトリウム | 亜鉛・鉛・銅・銀などの金属 | 衝撃に敏感な金属アジドを生じる |
| アセチレン | コバルト・銅・水銀・銀などの金属 | 爆発性の金属アセチリドを生じる |
覚える軸は、「アンモニアの相手」「アジ化ナトリウムと重金属」「アセチレンと特定金属」の3群です。
アジ化ナトリウムは第5類で、単独物質の消火例外としても問われます。危険物取扱者甲種の第5類攻略|自己反応性物質の性質・貯蔵・消火と往復して覚えると、知識がつながります。
水との反応は関連問題として別に判定する
混合危険の問題では、水との組合せも同じ選択肢群に登場します。しかし、水反応は先ほどの3系統へ無理に入れず、別の確認欄に分けると混乱しません。
| 物質 | 水との反応 | 主な危険 |
|---|---|---|
| カリウム・ナトリウム | 水と激しく反応する | 水素と熱を生じ、発火するおそれ |
| 炭化カルシウム | 水と反応する | 可燃性のアセチレンを生じる |
どちらも危険な組合せですが、「酸化剤+還元剤」「強酸+酸化性塩類」「爆発性物質を生成する組合せ」という3見出しとは判定の理由が異なります。
試験では、まず混合危険の3系統を確認し、その後で水・空気との反応を別に確認してください。
第3類の自然発火性・禁水性物質は、危険物取扱者甲種の第3類攻略|自然発火性・禁水性物質の性質と消火で整理しています。
安定剤・溶解など「危険なし」の例外
組合せ問題は、「危険になるもの」だけでなく「混合による発火・爆発を生じないもの」も問います。
| 組合せ | 役割・現象 | 試験上の判定 |
|---|---|---|
| メチルエチルケトンパーオキサイド+フタル酸ジメチル | フタル酸ジメチルは安定剤 | 混合による発火・爆発の組合せではない |
| 過酸化水素+りん酸・尿酸・アセトアニリド | 後者は分解を抑える安定剤として用いられる | 混合危険として扱わない |
| 硫黄+二硫化炭素 | 硫黄が二硫化炭素に溶ける | 混合による発火・爆発の組合せではない |
ただし、「危険なし」は、その組合せが混合によって直ちに発火・爆発するかという設問上の判定です。物質自体の危険性まで消えるわけではありません。たとえば、二硫化炭素は引火性の高い第4類危険物です。
安定剤は、対象物質の分解を抑えるために加えられます。物質名と安定剤の対応を一組で覚え、「安定剤なら何と混ぜても安全」と広げないでください。
試験で間違えやすい8つのポイント
単独で燃えない物質同士なら安全とする
酸化剤は自ら燃えなくても、相手の燃焼や酸化を激しくすることがあります。単独の可燃性だけで判定しません。
第1・6類と第2・4類なら例外なく爆発するとする
酸化剤と可燃物・還元剤を疑うための強い目印ですが、物質名と個別反応まで確認します。
強酸なら相手に関係なく同じ反応をするとする
酸化性塩類、有機物、金属など、相手によって反応と危険は異なります。
水との反応を3系統のどれかへ無理に入れる
カリウムやナトリウム、炭化カルシウムと水の反応は、関連する組合せ問題として別に判定します。
安定剤を危険な相手と判断する
フタル酸ジメチル、りん酸、尿酸、アセトアニリドなど、分解抑制のために加えられる相手があります。
硫黄と二硫化炭素は混ぜるだけで発火するとする
硫黄は二硫化炭素に溶けます。ただし、二硫化炭素自体の引火危険がなくなるわけではありません。
アジ化ナトリウムと重金属の組合せを見落とす
金属アジドを生じ、衝撃に敏感になります。「第5類+金属」という形ではなく、物質名の組として覚えます。
試験用の代表例を実務の網羅表として使う
実務では濃度、温度、不純物、容器材質などでも危険性が変わります。SDSと事業所手順を優先してください。
混合危険問題の解く順序
組合せ問題は、次の4段階で判定します。

- 両方の物質名、類別、役割を確認する
- 酸化剤+還元剤、強酸+酸化性塩類、爆発性物質生成の3系統を照合する
- 水・空気との反応が問われていないかを別に確認する
- 安定剤、希釈剤、溶解などの例外を確認する
選択肢を見た瞬間に「危険」「安全」を決めず、最後に例外確認を置くのがポイントです。
復習カードは、表に2物質の組合せ、裏に次の4欄を作ります。
- 両物質の類別・役割
- 危険になる理由
- 生じる物質または現象
- 安定剤・水反応などの例外区分
この形式なら、単なる組合せ暗記ではなく、初見の選択肢にも判断軸を使えます。
30秒セルフテスト
次の八問に答えてください。
- 混合危険とは何か
- 混合危険の3系統は何か
- 酸化性物質として最初に疑う類はどれか
- 可燃物・還元性物質として最初に疑う類はどれか
- アジ化ナトリウムと重金属の接触で何が危険か
- ナトリウムと水の組合せは、3系統と同じ欄で判断するか
- MEKPとフタル酸ジメチルは、なぜ危険なしの例になるか
- 硫黄と二硫化炭素の設問で、何を区別する必要があるか
答えは、2種類以上の物質の混合・接触により発火・爆発などの危険が生じること、酸化性物質+還元性物質・強酸+酸化性塩類・爆発性物質を生成する組合せ、第1類と第6類、第2類と第4類、衝撃に敏感な金属アジドを生じること、別の水反応として判断する、フタル酸ジメチルが安定剤だから、混合による発火・爆発と二硫化炭素自体の引火危険を区別する、です。
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次の記事では、第1〜6類の消火方法を横断比較し、水、泡、粉末、二酸化炭素、乾燥砂の使い分けを整理します。
まとめ
危険物取扱者甲種の混合危険について、発火・爆発する組合せと例外を整理しました。
- 混合危険は、2種類以上の物質の混合・接触で危険が生じること
- 3系統は、酸化性物質+還元性物質、強酸+酸化性塩類、爆発性物質を生成する組合せ
- 第1・6類と第2・4類の組合せを最初に疑う
- 強酸と酸化性塩類は、不安定な物質を生じることがある
- アンモニア、アジ化ナトリウム、アセチレンの相手を物質名で覚える
- 水との反応は、関連問題として別に判定する
- 安定剤や溶解による「混合危険ではない」例を最後に確認する
- 実務ではSDS、混触危険性表、事業所手順を優先する
まず3系統へ分類し、次に水・空気との反応、最後に安定剤・溶解の例外を確認してください。この順序なら、似た組合せを丸暗記するより安定して選択肢を判定できます。
参考文献
- 工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』弘文社、混合危険(PDF p.515-517) Amazonで見る
- 公論出版『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』混合危険(PDF p.512-515) Amazonで見る
- 総務省消防庁「『危険物』とは?」(2026年8月26日閲覧)
- 総務省消防庁「消防法 別表第一」(2026年8月26日閲覧)
化学プラント大全 
