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危険物取扱者甲種の消火設備・警報設備|第1〜5種と設置基準

危険物取扱者甲種の消火設備・警報設備を解説する記事のアイキャッチ

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困っている人
困っている人

「第1種から第5種まで、設備名と番号が一致しない」

「指定数量の10倍は、消火設備と警報設備のどこで使うのか分からない」

そんな疑問を解決します。

この記事の内容

消火設備の第1〜5種

消火困難性3段階と必要設備

所要単位・能力単位・歩行距離

警報設備の設置対象と5種類

自動火災報知設備の判定方法

先に結論を言うと、消火設備は「設備の種別」と「施設の消火困難性」を分けて考えます。第1〜5種を覚えたうえで、著しく消火困難、消火困難、その他のどこに該当するかを判断します。

警報設備は、原則として指定数量の倍数が10以上かを入口にします。その後、移動タンク貯蔵所、移送取扱所、自動火災報知設備を必要とする施設条件、その他の製造所等へ分岐させます。

法令全体の出題傾向は、危険物取扱者甲種の法令の出題傾向と勉強法で確認できます。

消火設備と警報設備は役割が違う

消火設備は、発生した火災を有効に消火するための設備です。製造所等の区分、規模、危険物の品名・最大数量、火災時の消火困難性などに応じて設置します。

警報設備は、火災が発生したときに危険を周囲へ知らせ、消防機関への通報につなげる設備です。

設備主な役割試験で確認する条件
消火設備火災を消火する第1〜5種、消火困難性、所要単位、危険物への適応
警報設備火災を知らせる・通報する指定数量10倍、施設区分、自動火災報知設備の条件

「消火設備があれば警報設備は不要」「自動火災報知設備は第1種消火設備」といった選択肢は、役割と制度を混同しています。

消火設備の第1〜5種を分類する

消火設備は、消火能力の大きさや設備の形により第1種から第5種までに区分されます。

第1種から第5種までの消火設備を屋内外消火栓、スプリンクラー、固定設備、大型消火器、小型消火器と消火用具に分類した図
(一次資料を参考に当サイト作成)
種別消火設備
第1種屋内消火栓設備、屋外消火栓設備
第2種スプリンクラー設備
第3種水蒸気消火設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
第4種大型消火器
第5種小型消火器、乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩、水バケツ、水槽

覚え方の軸は、次の3段階です。

  • 第1〜3種は、建物や設備へ設ける消火設備
  • 第4種は大型消火器
  • 第5種は小型消火器と消火用具

エアゾール式簡易消火具は、ここでいう第5種消火設備に含まれません。

消火困難性の3段階で必要設備を決める

製造所等は、規模、形態、危険物の種類、指定数量の倍数などから、火災時の消火困難性を3段階に分けます。

その他、消火困難、著しく消火困難の3段階ごとに必要な第1種から第5種の消火設備を示した図
(一次資料を参考に当サイト作成)
消火困難性設置する消火設備
著しく消火困難第1種・第2種・第3種のうち適応するものをいずれか1つ+第4種+第5種
消火困難第4種+第5種
その他第5種

ここで重要なのは、著しく消火困難な施設に第1種・第2種・第3種をすべて設置するわけではないことです。対象物の火災へ適応する設備のうち、いずれか1つを設置し、第4種と第5種も組み合わせます。

詳細な区分条件は施設ごとに異なります。試験では、まず3段階と設備構成を即答できるようにし、問題文に示された施設の面積、タンク容量、指定数量の倍数などを確認します。

第5種だけでよい4施設を覚える

製造所等の面積や指定数量の倍数にかかわらず、第5種消火設備だけを設置すればよい施設は次の4つです。

  • 地下タンク貯蔵所
  • 移動タンク貯蔵所
  • 簡易タンク貯蔵所
  • 第一種販売取扱所

給油取扱所は、この4施設に含まれません。特に、顧客が自ら給油するセルフ型給油取扱所には、第3種の固定式泡消火設備が必要です。

また、地下タンク貯蔵所は第5種消火設備を2個以上、移動タンク貯蔵所は一定の自動車用消火器を2個以上設置するなど、それぞれ固有の基準があります。「第5種だけでよい」と「1個あればよい」は別の話です。

所要単位と能力単位を区別する

所要単位は、製造所等にどれだけの消火能力が必要かを表す基準です。能力単位は、その所要単位に対応する消火設備の消火能力を表す基準です。

対象1所要単位
製造所・取扱所で外壁が耐火構造延べ面積100m²
製造所・取扱所で外壁が耐火構造でない延べ面積50m²
貯蔵所で外壁が耐火構造延べ面積150m²
貯蔵所で外壁が耐火構造でない延べ面積75m²
危険物指定数量の10倍

たとえば、指定数量の倍数が30の危険物は、危険物について3所要単位です。まず「指定数量の10倍で1所要単位」という対応を固定して覚えましょう。

「危険物は指定数量の100倍で1所要単位」「耐火構造でない建物の面積は2倍にする」といった入替えに注意してください。耐火構造でない場合は、1所要単位当たりの面積が半分になります。

歩行距離と電気設備の数値を整理する

第4種と第5種は、防護対象物から消火設備までの歩行距離で問われます。

設備原則の歩行距離
第4種消火設備30m以下
第5種消火設備20m以下

ただし、地下タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、給油取扱所、販売取扱所の第5種消火設備は、「有効に消火できる位置」に設けます。

電気設備に対する消火設備は、電気設備がある場所の面積100m²ごとに1個以上設置します。

数字は「第4種30m、第5種20m、電気100m²」と用途に結び付けてください。

危険物の類に適応する消火設備を選ぶ

消火設備は、種別番号が合っているだけでは足りません。政令別表第5により、対象となる建築物、電気設備、危険物の類や品名へ適応する設備を選びます。

代表的なひっかけは次のとおりです。

  • 棒状の水消火器は、第5類・第6類には適応するが、第4類には適応しない
  • 第1類のアルカリ金属の過酸化物や第3類の禁水性物品には、水系設備が適応しない
  • 第2類の鉄粉・金属粉・マグネシウムには、一般的な水系設備が適応しない
  • 第5類には、不活性ガスやハロゲン化物による窒息消火が適応しない
  • 乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩は、第1類から第6類までの火災に適応する

類別の消火方法を先に整理する場合は、危険物取扱者甲種の危険物別消火方法を確認してください。

実際の設備選定では、危険物の品名・性状、施設条件、関係法令、所轄消防機関との協議を優先します。

警報設備は指定数量の10倍以上が入口

一般規定では、指定数量の倍数が10以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う製造所等に警報設備を設けます。ただし、移動タンク貯蔵所は除かれます。

指定数量10倍、移動タンク貯蔵所、移送取扱所、自動火災報知設備の個別条件から警報設備を判定するフロー図
(一次資料を参考に当サイト作成)

移送取扱所には、配管や移送基地の特性に応じた別の警報設備基準があります。「一般規定の分岐から除かれる=警報設備が不要」ではありません。

問題文では次の順序で確認します。

  1. 指定数量の倍数が10以上か
  2. 移動タンク貯蔵所か
  3. 移送取扱所の特別基準か
  4. 自動火災報知設備を設ける個別条件に該当するか
  5. それ以外なら、他の警報設備を1種類以上設ける

指定数量の倍数計算が不安な場合は、危険物取扱者甲種の指定数量と倍数計算を先に確認してください。

警報設備5種類と自動火災報知設備の対象

法令上の警報設備は、次の5種類です。

番号警報設備
1自動火災報知設備
2消防機関に報知できる電話
3拡声装置
4警鐘
5非常ベル装置

ガス漏れ検知装置、発煙筒、赤色回転灯、サイレンなどは、この5種類を問う選択肢では誤りです。

自動火災報知設備の設置対象となる条件が定められている主な施設群は次の6つです。

  • 製造所
  • 一般取扱所
  • 屋内貯蔵所
  • 屋外タンク貯蔵所
  • 屋内タンク貯蔵所
  • 一方が開放された屋内給油取扱所、または上部に上階を有する屋内給油取扱所

ただし、施設名だけで一律に決まるのではなく、延べ面積、建物構造、指定数量の倍数などの個別条件を確認します。

自動火災報知設備の設置条件に該当しない一般対象施設では、移動タンク貯蔵所と移送取扱所を除き、電話、拡声装置、警鐘、非常ベル装置のうち1種類以上を設けます。

試験で狙われるひっかけ

誤りやすい表現正しい整理
消火設備は第1種から第6種まで第1種から第5種まで
第3種は大型消火器第3種は固定式の消火設備、第4種が大型消火器
著しく消火困難なら第1〜3種をすべて設置第1〜3種のうち適応するもの1つ+第4種+第5種
地下タンク貯蔵所は消火設備不要第5種を2個以上
第5種はすべて歩行距離20m以下一部施設は有効に消火できる位置
危険物100倍が1所要単位指定数量10倍が1所要単位
警報設備は指定数量5倍以上原則10倍以上
移動タンク貯蔵所も10倍以上なら警報設備が必要一般規定では除外
移送取扱所には警報設備が不要特別基準がある
警報設備にガス漏れ検知装置を含む法令上の5種類には含まれない

数字だけで判定せず、設備の種別、施設の困難性、対象物への適応、施設区分を順に確認してください。

3問のミニ演習

問1 消火困難性

火災時に消火が困難と認められる製造所等には、第4種と第5種のどちらか一方を設置すればよいですか。

答え:いいえ。第4種と第5種の両方を設置します。「または」ではなく「+」です。

問2 所要単位

指定数量の倍数が30の危険物は、危険物について何所要単位ですか。

答え:3所要単位です。指定数量の10倍が1所要単位なので、30÷10で求めます。

問3 警報設備

指定数量の倍数が20の移動タンク貯蔵所には、一般規定により警報設備を設けなければなりませんか。

答え:いいえ。移動タンク貯蔵所は一般規定の対象から除かれます。移送取扱所と混同しないでください。

次に読む記事

消火設備・警報設備まで終えたら、危険物取扱者甲種の法令の出題傾向と勉強法へ戻り、法令分野を横断演習してください。

危険物の性質と消火方法を復習する場合は、危険物取扱者甲種の第1〜6類比較から各類の記事へ進めます。

記事群の全体像は、危険物取扱者甲種の完全攻略ロードマップで確認できます。

まとめ

消火設備・警報設備の要点をまとめます。

  • 消火設備は第1〜5種に区分する
  • 第1〜3種は設備、第4種は大型消火器、第5種は小型消火器・消火用具
  • 著しく消火困難は第1〜3種のいずれか1つ+第4種+第5種
  • 消火困難は第4種+第5種、その他は第5種
  • 指定数量の10倍が危険物の1所要単位
  • 第4種は歩行距離30m以下、第5種は原則20m以下
  • 警報設備は原則として指定数量の倍数10以上が入口
  • 移動タンク貯蔵所は一般規定から除外し、移送取扱所には特別基準がある
  • 警報設備は、自動火災報知設備、電話、拡声装置、警鐘、非常ベル装置の5種類

試験では「種別」「+か、またはか」「10倍」「施設の例外」を確認すると、長い選択肢でも誤りを見つけやすくなります。

参考文献