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呼び径とスケジュール番号|50Aは内径でも外径でもない

呼び径とスケジュール番号|50Aは内径でも外径でもない

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「50Aの配管だから、内径は50mm」と考えるのは誤りです。

50Aは配管サイズを識別する呼び名であり、実寸法そのものではありません。一次資料に示されたJIS管の例では、50A(2B)の外径は60.5mmです。さらにSch40なら肉厚3.9mm、Sch80なら5.5mmなので、内径も変わります。

呼び径、外径、肉厚、内径を分けて理解しないと、流速、圧力損失、保有量、強度、機器ノズルとの取合いを誤ります。

まず結論:呼び径とSchをセットで読めば寸法が決まる

鋼管の寸法は、次の順で読むと混乱しません。

  1. 呼び径でサイズ系列を特定する
  2. 規格表で実際の外径を確認する
  3. スケジュール番号で肉厚を確認する
  4. 内径を「外径-2×肉厚」で求める

呼び径が同じなら、同じ規格系列では基本的に外径が共通です。Schが大きくなると肉厚が増え、その分だけ内径が小さくなります。

呼び径は識別名であり、実際の鋼管寸法は外径と肉厚から内径が決まることを示す断面図
呼び径は識別名であり、実際の鋼管寸法は外径と肉厚から内径が決まることを示す断面図(一次資料を参考に当サイト作成)

呼び径は実寸法ではなくサイズの名前

鋼管サイズには、A系とB系の呼び方があります。たとえば50Aと2Bは、同じサイズ系列を示します。

一次資料のJIS管の例では、次の関係です。

A系呼び径B系呼び径外径
25A1B34.0mm
50A2B60.5mm
100A4B114.3mm
200A8B216.3mm

この表から分かるように、50Aは外径50mmではありません。内径も、肉厚によって変わるため50mmとは限りません。

50Aと2Bは呼び名で、JIS管の例では外径60.5mmとなることを寸法線で示した図
50Aと2Bは呼び名で、JIS管の例では外径60.5mmとなることを寸法線で示した図(一次資料を参考に当サイト作成)

なぜ半端な外径になるのか

呼び径は、配管、継手、フランジ、弁などを共通のサイズ名で扱うための識別体系です。呼び名をそのまま定規で測った寸法だと考えず、必要な実寸は適用規格の寸法表で確認します。

特に異なる規格系列、海外規格、大口径管、非金属管、ライニング管などでは、同じような呼び名でも寸法体系や適用範囲が異なることがあります。

スケジュール番号は肉厚系列を表す

鋼管の厚さは、mm値を直接指定する代わりにスケジュール番号で指定することがあります。管の呼び径とSch番号の組合せで、規格上の肉厚が決まります。

一次資料に示された例では、50Aの寸法は次のとおりです。

呼び径外径Sch肉厚算出内径
50A60.5mmSch403.9mm52.7mm
50A60.5mmSch805.5mm49.5mm

算出内径は、外径から両側の肉厚を引いた値です。

  • Sch40:60.5-2×3.9=52.7mm
  • Sch80:60.5-2×5.5=49.5mm

同じ50Aでも、Sch80の方が肉厚で、内径は小さくなります。

同じ外径60.5mmの50A鋼管で、Sch40よりSch80の方が肉厚で内径が小さいことを比較する断面図
同じ外径60.5mmの50A鋼管で、Sch40よりSch80の方が肉厚で内径が小さいことを比較する断面図(一次資料を参考に当サイト作成)

Sch40なら肉厚40mm、という意味ではない

Sch番号は肉厚のmm値ではありません。同じSch40でも、呼び径によって肉厚は変わります。

また、Sch番号をそのまま現在の使用可能圧力とみなすこともできません。実際の必要肉厚は、適用法規・コードの式に基づき、設計圧力、設計温度での許容応力、外径、継手効率、腐食代、製造公差などを考慮して求めます。その必要厚さ以上となる規格肉厚を選びます。

外径は取合い、内径は流れ、肉厚は強度に効く

寸法ごとの主な役割を分けると、設計判断が整理できます。

  • 外径:支持金具、配管間隔、ノズルや継手との取合い、保温後外形に関係する
  • 内径:流速、レイノルズ数、圧力損失、保有量、滞留時間に関係する
  • 肉厚:内圧強度、腐食余裕、重量、溶接条件などに関係する

口径計算で使うべきなのは、呼び径ではなく選定した管の内径です。50Aを0.050mとして断面積を計算すると、Schによる違いを無視することになります。

外径は取合い、内径は流動計算、肉厚は強度と重量に影響することを配管断面から整理した図
外径は取合い、内径は流動計算、肉厚は強度と重量に影響することを配管断面から整理した図(一次資料を参考に当サイト作成)

パイプとチューブは指定方法が違う

一次資料では、一般的な鋼製パイプは呼び径とスケジュール番号で指定し、チューブは外径mmと厚さmmで指定すると説明されています。

この違いは、計装配管や熱交換器伝熱管を扱うときに重要です。図面や購入仕様で「管」と書かれていても、英語表記、適用規格、外径基準か呼び径基準かを確認してください。

同じ「25」という数字があっても、25Aのパイプと外径25mmのチューブは同じ寸法ではありません。

設計で寸法を確定する手順

  1. 流体、流量、設計圧力・温度、材料を確認する
  2. 流速と圧力損失から候補の呼び径を選ぶ
  3. 強度計算と配管クラスからSchまたは肉厚を選ぶ
  4. 適用規格の寸法表で外径と肉厚を確認する
  5. 内径を使って流速と圧力損失を再計算する
  6. 腐食代、製造公差、ねじ・溝加工などの減肉を確認する
  7. 継手、フランジ、弁、機器ノズルとの取合いを確認する

口径と肉厚は別々に決めて終わりではありません。肉厚が変われば内径が変わるため、流動計算へ戻って確認します。

設計例:50AのSchを変えると何が変わるか

50AをSch40からSch80へ変更すると、一次資料の例では外径60.5mmは同じまま、肉厚が3.9mmから5.5mmへ増え、算出内径が52.7mmから49.5mmへ減ります。

同じ体積流量なら、内径が小さいSch80の方が流速は高くなり、圧力損失も増える方向です。一方、管重量は増え、支持荷重や施工性にも影響します。

したがって「Schを厚くして安全側にした」つもりでも、ポンプ余裕や流速制限の面では不利になることがあります。強度と流動の両方を再確認する必要があります。

設計上の注意:寸法表は適用規格と材料種まで確認する

同じ呼び径でも、炭素鋼鋼管、ステンレス鋼鋼管、樹脂管などで使用する肉厚系列や表記が異なります。Sch番号にSが付く系列もあり、似た記号を同一視できません。

記事の寸法値は、一次資料に示されたJIS管の例です。実案件では、最新の適用規格、配管材料仕様書、配管クラスを正本として確認してください。

設計レビューで確認したい5項目

  1. 呼び径を内径または外径として計算していないか
  2. 適用規格の外径と肉厚を確認したか
  3. 選定Schの実内径で流速・圧力損失を再計算したか
  4. 必要肉厚に腐食代と製造公差などを反映したか
  5. 機器ノズル、継手、フランジ、弁との寸法・仕様が一致するか

製作・保全で確認したい5項目

  1. 現品の外径と肉厚が図面・材料表どおりか
  2. 呼び径は同じでもSch違いの管を取り違えていないか
  3. 異材管やライニング管の実内径を確認したか
  4. 減肉測定の基準肉厚と必要最小厚さを区別しているか
  5. 取替え材の規格、材質、外径、肉厚、端部加工を照合したか

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参考文献

  • 西野悠司『プラント配管の原理としくみ』PDF p.129(パイプとチューブの指定方法) Amazonで見る
  • 西野悠司『プラント配管の原理としくみ』PDF p.132-134(呼び径、外径、Sch番号、肉厚の関係) Amazonで見る